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ウクライナ危機と新エネルギー秩序
―― 地政学・気候変動リスクと政府介入の拡大

ジェイソン・ボルドフ コロンビア・クライメートスクール学院長、メーガン・L・オサリバン ハーバード大学 ケネディスクール教授(国際関係)

The New Energy Order: How Government Will Transform Energy Market

Jason Bordoff コロンビア大学国際・公共政策大学院・コロンビア・クライメートスクールの共同創設者(学院長)、グローバルエネルギー政策センターのディレクター。オバマ政権で大統領特別補佐官、国家安全保障会議の気候変動担当上級ディレクターを務めた。              Meghan L. O’Sullivan ハーバード大学ケネディスクール教授(国際関係)。Windfall: How the New Energy Abundance Upends Global Politics and Strengthens America's Powerの著者。ジョージ・W・ブッシュ政権で、大統領特別補佐官、国家安全保障担当副補佐官(イラク・アフガニスタン担当)を務めた。

2022年7月号掲載論文

ウクライナ戦争が引き起こしているエネルギー危機は、各国の関心を「地政学的エネルギーリスク」に向かわせ、「今後の気候変動対策」と「現状でのエネルギーの必要性」間のバランスをわれわれに否応なく意識させている。仮に世界が戦略的エネルギーブロックの形成へ向かえば、この数十年におけるエネルギー市場のつながりは解体し始め、市場断片化へと向かっていく。注目すべきは、経済的ナショナリズムと脱グローバル化だけでなく、今後のエネルギー秩序が、最近では例のないレベルでのエネルギー部門への政府介入によって定義されるようになると考えられることだ。ロシアのウクライナ侵攻が際立たせたこれらの課題に各国がどう対応するかで、今後数十年における新しいエネルギー秩序が形成されることになるだろう。

  • エネルギーの地政学リスク
  • オイルショックの教訓
  • ウクライナ戦争とエネルギー危機
  • 市場の失敗と政府の介入
  • 移行期のエネルギー安全保障
  • 低炭素経済に向けて
  • ヨーロッパの9・11

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